古い慣習や風習の中で、インドの女の子はいつも暴力の危険にさらされています。TPAKの2014年3月の聞き取り調査では、活動地ウッタラカンド州ヴィカスナガル郡の女の子たちの70%が家族からの暴力を受け、75%が家庭の外でも性的な嫌がらせやからかいを受けているという驚くべき結果が出ています。このように女の子にとって深刻な状況にもかかわらず、周りに相談できる人がいる割合は20%以下、村の長老や村議会に報告したことがある割合は5%以下となっています。
家庭内暴力(DV)は深く家の中に存在するプライベートな問題です。女の子たちは長い間心の中に隠し続けてきました。しかしその沈黙が2012年のデリーでのレイプ殺人事件のような悲惨な事件を引き起こす一つの原因となったのです。しかし今、立ち上がる時がきました。
TPAKのインドプロジェクトは2000年の小学校での衛生改善から始まり、2005年インド北部の「衛生環境改善・地域住民意識化支援事業」、2009年「女性自立支援プロジェクト~ピア・エデュケーター育成事業」、2010年「保健・衛生・ジェンダー意識向上のためのヘルスキャンプ活動」と地道で段階的な活動を続け、ようやく家庭の中に潜む暴力の問題というプライベートな社会問題の解決に到達しました。
これからTPAKはJICAの支援により、2014年から5年の長い歳月をかけて、女性たちが安心して暮らせる環境を目指して、問題解決への糸口をたどります。
写真:TPAKが協力しているインド北部ウッタラカンド州の村の女性達
代表 近田真知子
ここをクリックすると会報が表示されます(PDF) |