事業説明:
アウンサンスーチー女史等により民主化を果たしたミャンマー。しかし少数民族との和平協定や人材不足という大きな2つの課題を抱えています。
これらの課題を解決するために重要になってくるのが「教育」です。
「他の村の女の子達のために寮が必要なんです!私たちの村には中学校と高校があります。この高い教育を自分の村の子ども達だけが受けられるのはもったいない。ぜひ他の村の女の子達が中学校や高校に通えるように、より良い環境の寮を作りたいのです。」
という村の要請を受け、15年来の信頼関係にある少数民族の自治政府と共に、女子教育の普及のために寮建設支援を実施しています。 実施にあたっては、村人主体の建設委員会を組織し、内発的発展を促進する自立支援型の協力を行っています。 最大50名が入寮可能なコンクリート製の衛生的な寮建設を目指しています。総工費250万円のうち、あと30万円足りません。何卒ご支援いただけますようよろしくお願い申し上げます。
事業内容:
ミャンマー南シャン州に最大50名入寮可能な、20m×9m、1階建て、鉄筋・ブロック・コンクリート製の耐久性ある強固な女子寮舎及び、炊事場、トイレ2部屋を建設する。
建設は村人による学校寮建設委員会が主体となって全行程を管理・運営する。また、全村民が建設資材の運搬や、大工や左官の建設補助などのボランティアを行い、村を挙げてのプロジェクトとする。
事業名称:ミャンマー少数民族の居住区における女子寮建設支援プロジェクト
活動時期:2016年6月1日~2017年2月28日
活動地域:ミャンマー南シャン州
対象人数:50名
協 力:TPAK会員・支援者、一般財団法人まちづくり地球市民財団、少数民族自治政府、村の建設委員会
背 景:
ミャンマーは、社会主義時代・軍事政権時代を経て、本年4月に54年ぶりの文民政権が誕生し、民主主義の道を歩み始めた。この54年間に疲弊した経済と社会の貧困は、国連においてアジアの最貧国のひとつとされ、GDPは隣国タイの7分の1、日本の73分の1である。
このミャンマーの持つ大きな課題は、135の「少数民族」の問題。そして長年置き去りにされてきた「教育」の問題である。特に遠隔地の閉塞された地域に住む少数民族の教育は著しく立ち遅れている。
TPAKでは、2001年よりミャンマー南シャン州の少数民族パオ族の居住地域で教育支援活動を33プロジェクト行ってきた。この経験の中から、小学校から中学校に進学できるのは43%、高校進学は12%であることを知った。これは自分の村に中高校がないためであり、教育が必要と考える親は、子どもをマンダレーやヤンゴンなど遠くの大きな町の全寮制の僧院学園に送り込んでいる。しかし僧院に寝泊まりできるのは男子に限られているため、女子には進学のチャンスはほぼない。
この事情を改善するために2010年TPAKでは、中高校のあるパオ族のT村に50人収容の女子寮を建設し、遠くの村の女子を受け入れた。この寮の卒業生から大学進学を目指すものが出現し、本年は38%(全国平均30%)が大学入学を果たした。大学に入学した学生のほぼ90%が教師を目指していることから、2021年から毎年、教師が輩出されることになる。現在、教師は皆ビルマ人であるので、パオ語を解する教師が誕生すれば、パオ地域の教育が格段に向上することは間違いない。パオ族の民族政府(自治政府)もこのことを大変喜び、政策に取り入れた。
TPAKでは、この成功例を礎に、パオ族地域中心の中学高校生のための寮建設を、推進していきたい。
当該、タピャイコン村は、村人の力でニンニクなど野菜の供託を行い、長年をかけて中高校舎を建てることができた。この中高校に遠くの村の女子学生も受け入れたいと、女子寮建設を考えている。建設に際しては、村が建設委員会(コミッティ)を設立し、砂や木材などの建設資材の収集や、基礎工事をボランティアとして村人総出で行うなどで節約を計り、総工費の15%も村が負担するなど、TPAKの考案した「コミッティ・アプローチ」の手法をとる。村が主体となるこの手法は、村の自立性を高め、寮運営は持続的に行われていく。50名収容の寮から教育大進学者が出て教師になれば、2021年から毎年10人以上の教師が誕生することになる。このことにより、ミャンマーの抱える「少数民族」と「教育」の二つの課題が同時に解決されていくことになる。
主 体:
僧侶、長老、村長、教師、若人衆、TPAK調整員などからなる村人により構成される女子寮建設委員会10名
総工費:2,500,000円、その他:野菜を供託して数年に亘って集めた村の基金から基礎工事のために約500,000円捻出
2017年3月開催の当会スタディツアーでこの女子寮の落成式に参加します。こちらも合わせてご覧ください。スタディツアー
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