2019年10月、TPAKのJICA草の根技術協力事業「ジェンダーによる暴力の抑止とセーフティネットの構築」プロジェクトが終了しました。5年をかけて、村の和を乱さないように活動してきたことが実を結び、活動村では村人の意識が変わり、女性への暴力を村の中で解決して行く仕組みが出来上がりました。女性への暴力抑止は、TPAKと現地カウンターパートMamtaが2003年から様々なプロジェクトを積み上げ、真摯な活動を行ってきた信頼関係があってこそ成し得た繊細で困難なテーマです。
プロジェクト開始前には、ほとんどの村人が妻や娘を殴ることを暴力であると自覚していない状況でした。これは受け継がれてきた伝統的行動様式によるものです。数えきれないほど村に足を運び、村人に「男女は平等」、「女性を殴ることはいけない」、「暴力には声をあげよう」「女の子も学校に行かせよう」「隣近所の問題には声を掛け合おう」と訴えました。村の男女はリーダーシップ研修や視察研修を通して知識を深め、村長や村議会メンバーと共にセーフティネットグループを結成しました。彼らは現在、村の中の暴力抑止に尽力するコアメンバーとなりました。日本人専門家によるトラウママネージメント研修を受けた教師や警察官は地域に学んだ内容を教えています。さらに女性リーダーがロールモデルとなることによって、影響をうけた女の子や女性たちが自分たちの権利を知り、復学や手に職をつけるなど自立の道を選択できるよう大きく変わりました。
写真: 村の女性集会。村の暴力をなくす活動に協力していく人は?との問いに力強く手を上げる女性たち。
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