ミャンマー 活動概要

活動概要

 2015年の総選挙によりアウンサンスーチー女史率いる国民民主連盟NLDが圧勝し、ついに民主化を果たしたミャンマー。しかし、課題は山積しています。最大の課題は少数民族との和平協定と人材不足です。

ミャンマーの少数民族の居住区では、水道、電気、病院、学校舎などのインフラ整備は、ほとんど村人の手で行われます。しかし、人々はわずかな収入の中から作物を供託 して学校舎を建設するため、完成までに4、5年を要してしまうのです。TPAKでは子ども達が少しでも良い環境で教育を受けられるよう、2001年からミャンマー南シャン州において少数民族の自治政府と共に、これまでに学校や寮建設などの教育支援活動を通した地域住民の組織化による自立支援を15年間で34件実施してきました。これは現在ミャンマー政府が抱える2つの課題解決に貢献するものでもあります。

 TPAKはアジアの少数民族の、貧困や人身売買などの悲惨な状況を改善するには、遠回りではあるが教育支援が必要と考え、1993年にタイ少数民族の地域で活動を始め、学校・寮建設や自立のための学校農園の支援など200件以上のプロジェクトを行ってきま した。その経験から、途上地域の真の自立発展を生むには、村落全体の自立を促すプロジェクト方式が有効と考え、ミャンマーの少数民族パオ族居住地域を対象に、学校や寮 などの建設を機に村で組織を形成する「コミッティ・アプローチ」方式によるプロジェクトを進めています。

コミッティ・アプローチとは

「コミッティ・アプローチ」による学校舎建設プロジェクトは次のような手順で進めていきます。

  1. 村人互選の10人程のコミッティ(委員会)を作る 
  2. 野菜の供託などを行って、総工費の15%を村人が捻出する
  3. 基礎工事に村人全員が参加し建設費を節約する
  4. TPAKは日本で助成金など資金を調達する
  5. 学校舎や寮の完成後は「コミッティ」が運営と先生の生活の面倒見る

 このように「コミッティ」を中心に村全体が協力して学校を建設し、運営を行っていきます。
コミッティのメンバーになった村人は校舎建設という成功体験と建設技術の習得をもとに団結力を高め、教師や寮生の生活の面倒だけでなく、村落の新たなイン フラ整備を精力的に行っています。T村の道路建設、M村の水道・電気設備、N村の先生の宿舎建設、K村で仲買制度を作り大きな町への出荷を始める、など 様々な効果が出ています。このように、村に組織された「コミッティ」が学校建設後に自立的に村落の開発に携わっていき、経済発展にもつながっていきます。

 ミャンマーの中でも、最も識字率の低いシャン州では 教育が著しく立ち遅れています。学校舎は竹で編んだ小屋で風雨が吹き込み雨期には授業ができません。また教師の数も足りず、無資格の先生が一人で5学年を 担当するなど教育の質も課題です。しかしコンクリート建てなどの堅固な校舎を建設すれば政府の公認校となり、資格を持った教師が政府から派遣されるように なります。公認校となるには村の財政では足りませんが、NGOの資金協力を得ることで建設が可能となります。

  TPAKでは「コミッティ・アプローチ」により、2001年から学校、寮、保育園など、33村でプロジェクトを行ってきました。学校舎の建設によって認定 校となり、教師が4-5人派遣され、清潔で安全な教室で子ども達の学力は格段に上がりました。また寮の建設により中学高校への進学も可能になり、その中か ら奨学金を得て大学に進学した子は、いま教師を目指しています。母語を理解する民族の教師が誕生すれば、教育の質はさらに向上します。

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プロジェクト活動池
ミャンマーヤンゴン管区および南シャン州

活動実績
期間 概要
2016年〜
【実施中】
子ども達に絵本を! 詳しくはこちら
ミャンマーでは軍事政権の影響で長らく出版が制限されていました。 数年前からようやく自由に出版できるようになり、様々な雑誌や書籍が出版できるようになりましたが、シャン州の子ども達には絵本を見たことがない子ども達がたくさんいるのが現状です。 TPAKでは2016年から日本の絵本にミャンマー語の文字を貼った上で子ども達に届ける活動を行なっています。
2002年〜
【実施中】
学校・寮建設プロジェクト 詳しくはこちら
村人が建てた竹製の校舎は老朽化が早く、床や壁に穴が開いてしまっていて雨風を凌ぐことが難しい状況でした。またこの地域は非常に貧しく、栄養状態の悪さからなのか子ども達の体格も小柄でした。 このような環境は子ども達にとって衛生的に非常に悪く、病気になる可能性があります。そこでTPAKでは衛生環境の改善や村に学校のない遠方の子ども達にも教育の機会を得てもらうために村人と協力して校舎の修理・改修や学校寮建設を行っています。
2005年~
【実施中】
南南協力活動 途上国同士の人と人をつなげる「虹の架け橋プロジェクト」 詳しくはこちら
従来までスポット的に日本から途上地域に一方向に行ってきた支援協力だけでなく、途上地域同士の人と人を結びつけ合い、知恵や友情の交換を行う「南南協力」を推進し、アジアの子ども達の明るい未来のための就学支援を効果的に行い、アジアの国同士と日本をつなぐ双方向に学びある事業を目指したプロジェクトです。
対象地域: タイ国チェンマイ県、ミャンマー連邦シャン州タウンジー郡、ヤンゴン管区
2015年 農村部における栄養改善のための食品加工技術プロジェクト【完了】詳しくはこちら
2011年の民政移管後、国が開かれ資本主義経済がグローバリゼーションと共に一気に流入したために中国などの外国産の食品に押され、国内の第一次産業、特に少数民族の居住区の農業は壊滅的な状況にあります。そこで、村人が第二次産業である加工技術を習得し、収穫物を保存食とすることで冬期・農閑期の栄養改善につなげることに加え、二次加工品の販路が開拓することで収入が向上し安定した生活が送れるようになることを目的として「食品の加工技術の向上」を支援するプロジェクトを実施しました。
2013年 村の診療所医療器具支援プロジェクト【完了】
2012年に建設した診療所への医療器具支援。
ミャンマーでは診療所に必要な薬や医療機器も村人が購入しなければなりません。そこで、日本で寄付を募り、分娩台と酸素吸入器などを支援しました。
対象地域: 南シャン州タウンジー郡
2008年~2009年 タンリエン孤児院 サイクロン緊急・復興支援【完了】 詳しくはこちら
 2008年5月2日にミャンマー南部を直撃したサイクロン「ナルギス」により、当会が支援するミャンマー国ヤンゴン管区タンリエン僧院孤児院が甚大な被害を受けました。当会は被災地にスタッフを派遣し、集まった募金で食糧支援や家屋修復などの緊急支援をはじめとする緊急支援を実施しました。
対象地域: ヤンゴン管区
2007年~ ナウンデー村 奨学金緊急支援【完了】
戦火に見舞われ学校閉鎖となってしまった子ども達10名を「学校寮建設プロジェクト」で建設した寮に疎開してもらい、奨学金を支給することで中等教育を受ける機会を提供しています。
対象地域: 南シャン州タウンジー郡
2006年~ タンリエン孤児院 衛生教育プロジェクト【完了】
健康調査の結果を受けて衛生教育プロジェクトを2006年から開始。藤田保健衛生大学とTPAK共同で子ども達に手洗い、洗面、水浴び、歯磨き、爪切りなど衛生観念や清潔さを保つための方法を指導しています。6段階の正しい手洗い方法を歌とジェスチャーで楽しく学べるようにするなど工夫しています。
対象地域: ヤンゴン管区タンリエン僧院
2005年~ タンリエン孤児院 健康調査プロジェクト【完了】
2005年よりヤンゴン管区タンリエン僧院孤児の子ども達の健康状態を藤田保健衛生大学とTPAK共同で調査を実施。その結果、慢性的な栄養不足、皮膚病、感染症、結核の疑いなどが見られました。TPAKではこの結果を踏まえ、衛生教育プロジェクトを開始しました。
対象地域: ヤンゴン管区タンリエン僧院
2002年~2010年 給水プロジェクト【完了】  詳しくはこちら
衛生面の改善と安全な飲み水を確保する。
この地域は水源に行くまで徒歩で2、3時間かかります。そして重労働である水汲みは女性や子ども達となっています。この負担を軽減するために村人は水源から水を引くことに。しかし水撃ポンプで水を汲み上げ、村までパイプを通したところで資金が尽きてしまったため、TPAKはその後の貯水タンクの建設を支援しています。
対象地域: ヤンゴン管区、南シャン州タウンジー郡